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日本版ゴールデンプランの必要性

二宮清純


 菅直人新首相は「強い経済、強い財政、強い社会保障」をスローガンに打ち出している。だが、不況による税収の落ち込み、少子高齢化に伴う社会保障費の増加を考えると、“三位一体の改革”は容易ではない。 

 日本同様、第2次世界大戦で敗戦国となったドイツは戦後、経済が非常に疲弊していた。社会保障にかかるコストは、どう蛇口をひねってもまかなえない。

 1960年、当時の西ドイツ政府は“ゴールデンプラン”とよばれる15カ年計画を打ち出した。これは国民の健康増進のため、スポーツに取り組むハード面を整備しようとしたものである。人々が日々、スポーツに取り組むことで健康的な生活ができれば、その分、医療費を抑制できる。必要経費は連邦政府、州政府、地方自治体が2:5:3の割合で負担し、国をあげてプロジェクトを推し進めていった。

その結果、子供の遊び場、プールなどのスポーツ施設、アリーナ……と国民が気軽に体を動かせる環境が全国に誕生した。そして、目論見どおり、医療費の削減に成功したのである。

ゴールデンプランの効果はそれだけではない。施設を維持するための管理人や職員、人々にスポーツを教えるコーチやトレーナーなど、多方面で新たな雇用も生まれた。雇用が創出されれば、経済も活性化し、ひいては税収も増加する。

 このようにスポーツは「強い経済、強い財政、強い社会保障」に寄与する可能性を秘めている。今の日本に必要なのは、短期集中的なバラマキではなく、ゴールデンプランのような長期的視点に立った政策ではないだろうか。ぜひ、日本版ゴールデンプランの立案を望みたい。


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